通勤時に通る山々に山桜が満開です。
山肌にピンクの絨毯が山頂から麓まで滝が流れるように広がって素敵な景色が目に飛び込んできます。
4月から日曜日ごとに開放されるバーベキュー場にテントが並び多くの家族が楽しんでいます。
その隣には日曜日だけ開催される野菜の朝市があり多くの人が訪れています。
今日はお天気も良く暖かい行楽日和です。
でも私は仕事、朝一番でお客様、お家のフェンス工事のご依頼です。
続いて高齢のおばあさんが来られました。
事務所に入るなり私に「私、家が分らなくて」「何というお家をお探しですか?」
「私の家なんです、散歩をしていたら分からなくなって」
「お名前は?何丁目ですか?」しかし答えが返って来ません。
困ったなあ、認知症がかなり進んでいるようです。徘徊されているのです。
30分ほど事務所の椅子に腰かけて様子を見ることにしました。
事務所の前を中年の男性が周りを見回すように歩いておられます。
私が「おばあさんをお探しですか?」男性は慌てて事務所に来られ安心した様子。
「ご迷惑をお掛けしました、私の母親なんです。少し目を離したすきに出掛けたようです」
おばあさんは男性の顔を見るなり名前を呼ばれました。
認知相が進んでいても息子さんは分かるようです。
息子さんは何度もお礼を言いながらお母さんの手を引いて帰られました。
そしてお名前と住所を告げられました。
私も認知症の進んだ母親がいましたが、足が不自由だったので徘徊はありませんでした。
おばあさんを見ていると15年前90歳で逝った母と重なって見えました。



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