約一カ月ぶりに恋人麻里ちゃんに会いました。

一階で母親と弟と三人でエレベーターを待っていました。

声をかけると、大きな目を輝かせ嬉しそうに私のそばにやって来ました。

母親の話では、いつも家に居るので時々誰もいない公園で遊ばせているとのことでした。

「麻里ちゃん元気でしたか?首藤さんは麻里ちゃんに会えないから寂しかったよ」

麻里ちゃんが「ケーキ美味しかったよ、ありがとう」と嬉しそうです。

「麻里ちゃん、早く病気がいなくなったらいいのにね」

麻里ちゃんは「病気がいなくなったらお見送りするね」と少し寂しそう。

今は握手も抱き上げることもできません。

最後にグータッチ、弟にもグータッチ。

麻里ちゃんは何度も私を振り返りながらエレベーターに乗りました。