明日はクリスマスイブ、と言っても私には何の予定もない。

糖尿病に悪いからとケーキも買わない、フライドチキンは嫌い。

プレゼントをくれる人などはあろうはずもありません。

小さなツリーを飾り、母がこさえた心ばかりのご馳走。

そしてささやかなプレゼントに大喜び。

それも60年以上も前のこと。

アルバイトで稼いだお金で、出来たばかりの彼女と心躍るランデブー。

北極星で食べたオムライス、彼女に似合うマフラーのプレゼント。

彼女からのプレゼントは手編みの暖かい手袋。

嬉しくて手袋したまま眠ってた。

それも半世紀も前のこと。

現実には何もないクリスマス、でも記憶の中でのクリスマスは彼女と一緒。

名前も覚えていないけど、クリスマスが来ると彼女の素敵な笑顔が目に浮かぶ。

それが今の私へのクリスマスプレゼントかな。