私の父は一級建築士だったんです。
私が学生の頃、父の事務所が設計した新築工事に私がアルバイトで一か月ほど通ったことがある豊中市のT様邸。
そのT様から50年ぶりにお電話をいただいたんです。
「豊中のTですが首藤さんですか」元気そうな溌剌とした声で。
少し話していると徐々に昔が蘇ってきます。
T様ご夫妻は共に小学校の先生でした。
当時、お二人とも30代半ば、現場で毎日のようにお話しさせていただいていました。
その後、私は父と同じ道を進まず異業種のサラリーマンになりました。
T様は私が父と同じ道に進んだと思われていたようです。
今回の震災、台風でお家が大きな被害を受けられたようです。
多くの業者に依頼されたようですが現場調査にも来てくれないとのことです。
50年も前の私を思い出して下さりお電話をくださったT様。
30年余り異業種の仕事をしていましたが、現在はお引き受けできる仕事をしています。
ところで一つだけ大きな疑問があります。
T様はどうして50年もお会いしていない私の自宅の電話をお知りになったのか・・・・・・・
今日、50年ぶりにT様ご夫妻にお会いします。
当時私が20歳、T様ご夫妻は35歳、時の流れを感じる再会になるでしょう。